明日香「あ、山吹さん」道でバッタリ
「お、明日香。久しぶりだね。――なんか元気なさそうけど、大丈夫?」
明日香「そ、そう見えますか」
「あー、いやなんとなくだけど。よかったら話聞くよ」
明日香「――あの市ヶ谷さんって、すぐに誰とでも仲良くしたいって言ったりとかそういう人なんでしょうか」
「え、有咲? どうだろ。むしろ仲良くしたいと思ってても自分からそんなこと言えないタイプだと思うけど。何かあった?」
明日香「その先週の水曜日なんですけど。いきなり市ヶ谷さんが来て私のほっぺと自分のほっぺをすり合わせて」
(えぇ~!? 本当に有咲の話なの?)
明日香「罰ゲームか何かなのかと思ってたんですけど、この前聞いたら私と前から仲良くなりたいと思ってたからみたいなこと言ってて」
「明日香はそれが嫌だったの?」
明日香「……よくわからないです。あの日以来なんか頭の中ぐちゃぐちゃで。私、皆さんがポピパを組む前から市ヶ谷さんのことは一方的に知ってたんです」
「あー、有咲あの頃は有名人だったもんね」
明日香「実は私ちょっと憧れてて。孤高の天才みたいな感じなのかなって。お姉ちゃんを通して関わるようになって可愛いところもすごく沢山ある人だなって知りましたけど」
「そっか。――有咲はさ、ああいう複雑な性格だからさ。いやある意味わかりやすいんだけど。胸の内はともかくとして、自分から積極的に仲良くなろうと、それどころかはっきり仲良くなりたいって言うなんてよっぽどのことだと受け取っていいと思うよ」
明日香「山吹さん――ありがとうございます」
「大した力にはなれなかったと思うけど。あ、前から言おうと思ってたんだけど沙綾でいいよ」
明日香「それじゃあ、沙綾さん。本当にありがとうございました」
「あれ、そういえば先週の水曜日って」