かおちさ編
「白鷺です」
「瀬田です」

「幼なじみですが何か問題でも?」
「決まったわね」
「これが決まればもうこっちのものだからね・・・」
「薫聞いて、今度アニメのゲスト声優をやることになったわ」
「そうなのかい?それは凄いね。どういう役か聞いていいかい?」
「振り込め詐欺の犯人役よ」
「千聖は仕事を選ばないね・・・」
「そこで薫、あなたとこの役を演じながら、役について理解を深めていきたいと思っているの」
「なるほど、お互いに演技を生業としているからね・・・いいだろう。一緒に振り込め詐欺の犯人について考えていこう・・・」
「それじゃあ、私が犯人をやるから、薫は電話を取る役をやって、電話を取るのが誰なのかはあなたに任せるわ。」
「了解・・・トゥルルルルル、ガチャ。」
「こんばんは、瀬田さんのお宅で間違いないでしょうか?」
「あい・・・瀬田?そんなもんおったかのう・・・」
「・・・失礼ですが、お名前を聞いてもいいですか?」
「女体原(ニョタイバラ) 節子ですぅ~」
「はい?」
「千駄ヶ谷でスナック鼻頭を営んでおります、女体原節子ですぅ~」
「ちょっと戻ってきてもらっていい?」
「どうしたんだい?」
「どうしたんだい?じゃないわよ。」
「確かに電話を取るのが誰かはあなたに任せるって言ったわ、ただそれは瀬田家の一員、もしくは一般的な家族の役を想定しての話なのよ。」
「誰よ?スナック鼻頭の女体原って」
「節子よ」
「フルネーム言わなくていいわ、あと、また役下ろしてるわね?」
「薫は語尾に「よ」をつけて話すキャラじゃないもの」
「待ってくれ千聖、こうは考えられないか?」
「千聖は犯人役を演じるのだから、電話に出るのがたとえどんな人物でも欺いて金を出させるプロフェッショナルじゃないといけないんじゃないか?」
「例えそれが一般人じゃなく、明らかに変な人でも騙せたら間違いないんじゃないか?」
「かなり飛んでるけど、一理あるわね・・・」
「確かに、伊達に子役上がり女優やってないわ。」
「いいでしょう!薫を欺いて見せるわ!!」
「その意気だ!」
「もう一度やるわよ!」
「トゥルルルル・・・ガチャ」
「こんばんは、瀬田さんのオタクで宜しいでしょうか?」
「ぽよよ?あっしは瀬田さん?では無いでござんすよ?」
「・・・失礼ですが、お名前を伺ってもいいでしょうか?」
「はい、千駄ヶ谷でスナック鼻頭のチーママをやっておりやす。権田原飲みおです。」
「チーママの方でしたか、それは失礼いたしました。あの、先程もお電話をさせて頂いたのですが、女体原さんは在宅でしょうか?」
「女体原?あぁ~女体原はさっき、2億8000万の脱税が国税にバレて、フィリピンに高飛びを決めやした。」
「待って!戻ってきて!!」
「大悪人じゃない!!」
「女体原!!大悪人じゃない!!」
「はたしてそうかな?」
「脱税でフィリピンに高飛びするやつは大悪人に決まってるのよ!」
「こう考えられないかな?」
「お目当ての女体原は確かに高飛びしたけど、どんな身分であろうと欺いてみせるのが、真の悪人じゃないかい?」
「詐欺師を騙す詐欺師だっているんだ、千聖にだって出来るよ」
「・・・一理あるわね、それじゃ今度こそスナック鼻頭から金を巻き上げて、彩ちゃんと一緒にハワイに別荘買ってやるわ!」
「いいぞ!その意気だ!!」
「トゥルルルル・・・ガチャ」
「先程から何度もすみません、スナック鼻頭ですか?」
「そうです。サナック鼻頭のママ、須笠トモヒコです。」
「ママなのに男みたいなお名前ですね?」
「はい、一応これでも女でさ。ちょっと待ってくだふいね、今、国税のガス入れが来ているのでまた後でかけ治してくだすい。」
「税金関連で悪事働きすぎじゃない!スナック鼻頭!」
「あと、さっきのキャラの話し方は何よ?ガス入れとかくだすいとか、なによあれ?」
「すがさ、になっているからね」
「そんななぞなぞみたいなしょうもないトリック入れなくていいわ!」
「あなた、本当にやる気あるのかしら?」
「やる気しかないよ?」
「じゃあそれが空回りしてるのよ」
「まぁ、荒唐無稽の一人芝居って言われてるからね・・・」
「うまいこと言ったつもり?」
「シェイクスピアいわく、そろそろおちてもいいんじゃないかい?」
「そんなこと言ってないし、後で薫にはお説教よ。ありがとうございました。」