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【SS】変な歌練習させられてる奴

    • 1 名前:匿名スタッフさん ID:zZTRlNzU

      「ぴぴっぴっこーん…ぴっこーん……!」

      「違うわ。最初から。」

      「はい…。」


      「ぴぴっぴっこーん…!ぴっこーん…!ぴっ…」

      「ダメよ。もう一度。」

      「…はいっ……!」


      「ぴぴっぴっこーん!ぴっこー……」

      「ちょっと、止めてちょうだい。」

      「……。」

      「ちゃんと練習してきたのかしら。全然歌えていないじゃない。」

      「スコアはちゃんと読んできたの?」

      「は、はい…!」

      「練習してきてこの調子なの?」

      「そ、それは……」

      「それなら向いていないわ、あなた。」

      「そんなこと……!」

    • 2 名前:匿名スタッフさん ID:zZTRlNzU

      「もう帰りなさい。」

      「……歌わせてくださいっ!」

      「帰りなさい。」

      「もう逃げたくないんです…人のせいにしたくないんです!」

      「だから、やらせてくださいっ!」

      「……本当にやる気があるの?」

      「はいっ…!」

      「それなら、もっとしっかり気持ちを込めて歌いなさい。」

      「は、はいっ!!」

      「じゃあ、もう一度最初から。」

      「…は……い……。」

      「………。」

      「………。」


      「………えっ…えっ…」グスッ

      「泣くのなら帰ってちょうだい。」

      「…すみま……せんっ……!」グスッ

      「あなたにはボーカルは無理ね。」

      「い、いえっ!やらせてくださいっ…!!」

      「合同ライブのラストを飾る大事な曲よ。分かっているかしら?」

      「はいっ…!も、もちろんですっ!!」

      「はぁ……困ったものね…。」

    • 3 名前:匿名スタッフさん ID:zZTRlNzU

      「本当にスコアは読んできたのね?」

      「はいっ…!」

      「だったらそのスコア通り歌えばいいだけよ。」

      「わ、わかりましたっ……!」

      「じゃあ、最初から。」

      「はいっ……。」


      「ぴぴっぴっこーん……!ぴっこーん…!ぴっ…」

      「それでいいと思って歌っているの?」

      「えっ……」

      「それで本当にいいと思って歌っているのか聞いているの。」

      「はいっ…。」

      「いいと思っているの!?」

      「あっ…いえっ…その……」

      「それで満足して歌っているの?」

      「いえっ、そういうわけでは……。」

      「そうでしょうね。それなら、自分の100%を出して歌ってみなさい。」

      「スコアはちゃんと読んだのよね?」

      「はいっ…!」

      「じゃあ、もう一度最初から。」

      「は、はいっ……。」


      「ぴぴっぴっこーん!ぴっこーん……!ぴっこーん…!がぁ〜るぅ〜……ぱぱっ…!」

      「ぴっこーん……!ぴっこ……」

      「倉田さん、あなた本当に歌詞の意味を理解して歌っているの?」

      「えっ…!?」

    • 4 名前:匿名スタッフさん ID:zZTRlNzU

      「『ピコ』という言葉は本来とても小さいものを表す接頭辞ではあるのだけれど、」

      「この曲ではほとんど擬音のようにして用いられているわ。」

      「は、はぁ……。」

      「だからこそ、意味のある言葉、というよりは、」

      「仲間との絆を感じて、好き好き大好きという気持ちを全面に出してオノマトペのように、」

      「『歌う』というよりは『叫ぶ』に近い感覚かしらね。」

      「……。」

      「そういう気持ちでやってみなさい。」

      「……はいっ!」

      「『歌う』ということを忘れなさい。」

      「は、はいっ!」

    • 5 名前:匿名スタッフさん ID:zZTRlNzU

      「じゃあすぐ、はい!」

      「ぴぴっぴっこーん…!ぴっこーん…!ぴっこーん……」

      「そんなのじゃ気持ちは伝わらないわ!」

      「うぅ……。」

      「お客さんが楽しみに待っていてくれているのよ?」

      「は、はいっ…!」

      「他のバンドならいくらでもいるのよ。」

      「い、いや……やらせてくらさぁいっ……!」

      「しっかり気持ちを込めて歌いなさい。」

      「は…はい……。」

      「はい、じゃあ最初から。」

      「………。」


      「……えっ…えっ…」エグッ

      「泣くのなら帰りなさい。」

      「ずみまぜんっ…!」エグエグッ

      「もういいわ。帰ってちょうだい。」

      「大丈夫ですっ……」

      「あなたの代わりはいくらでもいるの。」

      「やらせてくださいっ……!」

      「はぁ……。」

    • 6 名前:匿名スタッフさん ID:zZTRlNzU

      「これが最後だと思って、自分の100%の気持ちを込めてやってみなさい。」

      「は、はいっ…!」


      「ぴぴっぴっこーん……!ぴっこーん!ぴっこーん…がぁ〜るぅ〜……」

      「違うわ。そうじゃなくて、もっとこう……。」


      「ぴぴっぴっこーん!!ぴっこーん!!ぴpppっこーんっ!!!」

      「ぎゃあありゅううう!!!ぱぱんッッッ!!!!」


      「………。」

      「………。」

      「………………。」

      「………………。」

      「これぐらいでやりなさい。」

      「……はい…………。」

      「そうじゃないと伝わらないわ。」

      「………。」

    • 7 名前:匿名スタッフさん ID:zZTRlNzU

      「はい、もう一回。」

      「はい……。」


      「ぴぴっぴっこーん…!ぴっこーん…!ぴっこー……」

      「『ぴpppっこーん!!』よ。」

      「はい…。」

      「さっきからずっと『ぴっこーん』って歌っているけれど、それでは伝わらないわ。」

      「はい……。」

      「はい、もう一度。」

      「………。」

    • 8 名前:匿名スタッフさん ID:zZTRlNzU

      「ぴぴっぴっこー……」

      「整理するわよ。」

      「……はい。」

      「あなたもバンドを組んでいるわよね?」

      「はいっ……。」

      「『バンド』には絆という意味もある。」

      「かけがえのない仲間たちとの絆。」

      「自分たちの演奏に納得がいかず、ときに衝突することもあったわね。」

      「それでも今、こうしてその仲間たちと音楽ができている。」

      「その喜び、愛情、慈しみ。そういったありったけの感情を込めて歌うの!」

      「ぴぴっぴっこーんッッッ!!!」

      「!!?」

    • 9 名前:匿名スタッフさん ID:zZTRlNzU

      「ぴっこーん…!ぴっこーん……!!」

      「がぁ〜るぅ〜……ぱぱっ…!!」

      「ダメよ。」

      「うぅ……。」

      「最初だけよ。マシなのは。」

      「はい……。」

      「全然気持ちが伝わってこなかったわ。」

      「………。」

      「これじゃ、ただの変な歌じゃない。」

      「……もともと変な歌なのに。」ボソッ

      「ん?今なんて言ったかしら?」

      「い、いえ!なんでもないです……。」

      「あなたは余計なことを考えなくていいの。作詞に口を出さないで。」

      「は、はい……。」

    • 10 名前:匿名スタッフさん ID:zZTRlNzU

      「じゃあもう一度、最初から。」

      「はいっ…」


      「ぴぴっぴっこーん……!ぴっこーん……」

      「もっと、もっと気持ちを込めなさい!」

      「ぴっこーん…!!ぴっこーん……!!!」

      「もっとお腹から、全身から、気持ちを込めて!」

      「ぴっこーん!!ぴっこーん!!!」

      「もっと…!熱く…!!」


      「ぴっこおおおん!!!ぴっこおおおん!!!」

      「ぎゃあああるうううう!!!!」

      「ぱぱん〜んっ!!!」

      「ぴっこおおおおおん!!!」

      「ぴpppppっこおおおんんっ!!!!」


      「………。」

      「………。」

      「………………。」

      「………………。」

      「二人で合わせてやっとこのぐらいね。」

      「えぇ……」

    • 11 名前:匿名スタッフさん ID:zZTRlNzU

      「今日はもういいわ。上がりなさい。」

      「は、はいっ……。」

      「しっかり練習してきなさい。」

      「はいっ…!ありがとうございましたっ…!」

      「ありがとうございましたじゃないわ。全然できてないじゃない。」

      「…はい……。」

      「できているつもりじゃないわよね??」

      「いや、そういうわけじゃ……。」

      「明日の練習でまたやって、これでちゃんと歌えていなかったら、残念だけれど合同バンドには参加させられないわ。」

      「は、はいっ……」

      「分かっているわよね?」

      「この曲にすべてを掛ける覚悟はある?」

      「はいっ…!!」

      「しっかりやってきなさい。」

      「は、はいっ……!ありがとうございましたっ!」

      ドア(ガチャッ)

      「はぁ…まったく……。」

      「………。」

      「………でも。」


      「だいぶ良くなって来たじゃない。」フフッ

    • 12 名前:匿名スタッフさん ID:zZTRlNzU

      以上です。

    • 13 名前:匿名スタッフさん ID:1ZWVjNjA

      えぇ…

    • 14 名前:匿名スタッフさん ID:yMjE5YzM

      笑いすぎて変な液体出た

    • 15 名前:匿名スタッフさん ID:3MGJlMzJ

      ジ○ルジャルのコントみたいなタイトルだな

    • 16 名前:匿名スタッフさん ID:hYzFmNzY

      ジャルジャルの「変なキャラ練習させられる奴」のパロかw