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【SS】蒼と碧のコントラスト

    • 1 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      さよひなのオリジナル物語です。
      ある曲を聴いて、それで思い浮かんだ話となります。
      オープニング、1~5話、エンディングの7話構成です。

    • 2 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      オープニング【本格派バンドどアイドルバンド】



      ―ファミレス―

      「今日も練習疲れたねー!」

      「そうだねー」

      「とりあえず、今日の練習の反省会をするわよ」

      「そうですね、始めましょう」

      「あ…氷川さん…ポテトが届きましたよ…」

      「…ありがとうございます、白金さん」

      「さぁ、はじましょ…」

      「あー!おねーちゃん達いたー!」

      「ひ、日菜さん!そんな大きな声をだしたら…」

      「こんばんわ、お邪魔しても大丈夫かしら?」

      「いえ、まだ反省会が終わってな…」

      「あー!おねーちゃんポテト食べてるー!あたしも食べるー!」

      「日菜!騒がないでちょうだい!」

      「私もなにか食べたいなー」

      「カロリーが高いのはダメよ?」

      「その分運動すればダイジョーブです!」

      「あの…反省会…」

      「友希那~もう諦めなって」

      「はぁ…仕方ないわね…」

    • 3 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      「それで、なにか話があるんでしょう?」

      「えぇ、もちろんよ」

      「はい、実はですね…」

      「私たちと、ツーマンライブ、やろ!」

      「えっと…」

      「話が急だね…」

      「実は今度やるライブが大き目の会場でやることが決まってね」

      「それで、事務所のほうからも、ツーマンライブをやっても面白いんじゃないかって話が上がって」

      「共演してくれるバンドを探そうってことになったの」

      「それでね、私たちと一番タイプの違う友希那ちゃん達とやりたいなーって思って」

      「この話をさせてもらった形なのよ」

      「それはほんとうに急な話だねー」

      「そうね、それはごめんなさい」

      「どうか一緒にやってくれませんか?」

      「友希那さんどうします?」

    • 4 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      「そうね…やりましょう」

      「良いんですか?湊さん」

      「ええ、とても面白いと思うわ」

      「だよねー!友希那ちゃんならそう言ってくれると思ってたー!」

      「はい!受けた挑戦は断らない!ブシドーの心です!」

      「ブシドーかどうかはわからないけど」

      「私たちにとっても良い刺激になると思うわ」

      「湊さんがそういうなら…」

      「はい…異論はありません…」

      「まぁそうだねー」

      「はい!あこも頑張ります!」

      「と、言うことで喜んでやらせてもらうわ」

      「ほんとに?ありがとー!」

      「やるからには、こちらも本気で行くわよ」

      「そう言ってもらえるとありがたいわ」

      「はい!こちらも負けません!」

      「一緒に頑張ろうね!おねーちゃん!」

      「そうね…」

    • 5 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      「それで、ライブはどのような形でやるのか、決まっているの?」

      「今のところ、お互い9曲を3回に分けて、最後のアンコールで1曲ずつ、といった感じね」

      「ってことは10曲ってことかー」

      「えぇ、その通りです」

      「となると、それ用にセットリストもしっかり組まないとね」

      「そうね、今度それもしっかり合わせていきましょう」

      「わかったわ」

      「んー今日のところはこんな感じかな?」

      「そうだねーこれ以上遅くなっちゃうと家族に心配かけちゃうし」

      「おっしゃる通りですね」

      「ではまた予定を組みましょう?」

      「えぇわかったわ」

      「じゃあおねーちゃん、あたし先に帰ってるね?」

      「気を付けて帰るのよ」

      「うん!」



      (パスパレとライブ…ね…)

    • 6 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      オープニングはここまでです。
      早速オープニングのタイトルを誤字ってますね…申し訳ないです。
      話自体はほぼ書き終わってますので、今日明日で全部投稿できるかと思います。
      よろしければお付き合いください。

    • 7 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      第1話【秀才のギタリスト】



      ―Roselia 練習スタジオ―



      「少し休憩にしましょう」

      「うーん!今日も調子良い感じ!」

      「そうだねー☆」

      「いいえ、宇田川さんも今井さんもミスが目立ちます、まだまだです」

      「そうね、詰めれるところは詰めないと」

      「でもさー、何度も一緒にライブやってるんだし、そんなに気を張らなくても…」

      「いいえ、初めて、です」

      「どうしてですかー?」

      「一緒にライブをやった、といってもツーマンは初めてでしょう?」

      「紗夜の言う通りね」

      「Afterglowとのライブのこと、もう忘れたの?」

      「うっ…それは…」

      「こちらが万全の状態で挑んでも、1つのミスで相手に飲まれてしまいます」

      「油断や慢心は禁物です」

      「何より…相手はプロなのですよ?」

      「それも…そうですね…」

    • 8 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      「技術という点では負けてるつもりはないわ、でもパフォーマンスという点ではどうかしら?」

      「ライブパフォーマンス1つで、場を完全に支配されてしまうこともある」

      「えぇ…それに勝るにはこちらは技術で圧倒するしかありません」

      「それに宇田川さんの相手は大和さんなんですよ?」

      「うぅー…それはそうですけどー…」

      「大和さんは技術力もあります、ドラムで差をつけられると取り戻せないかもしれませんよ」

      「ま、まぁまぁ紗夜、そこまで言わなくても…」

      「いいえ、宇田川さんには意識を変えてもらわないといけないと思います」

      「でも、紗夜さんの相手だってひなちんじゃ…」

      「あこ!」

      「…そんなの…あなたに言われなくてもわかっています!」

      「私が一番比べられると…日菜の姉だから比べられることくらい…!」

      「紗夜」

      「あ…えっと…その…」

      「氷川さん…」

    • 9 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      「あなたが日菜を意識してしまうこともわかってるつもりだわ」

      「しかしそれと、ライブのことは関係ない」

      「あなたはあなたのギターを弾く、それで問題ないでしょう?」

      「そう…ですね…」

      「宇田川さん…ごめんなさい」

      「あこも…また紗夜さんの嫌なことを言っちゃって…ごめんなさい…」

      「いいえ、宇田川さんは悪くないわ」

      「……」

      「……」

      「そろそろ練習を再開しましょう」

      「えぇ」

      「そ、そうだね!」

      「はい…頑張りましょう…」



      (私は私…日菜と輝き方が違っても、並んで輝くことはできると思っていたのに…)

      (いざとなると…どうしても自分で比べてしまう…)

      (このままでは…あの短冊に書いた願いも…)

    • 10 名前:匿名スタッフさん ID:0MWUyMDc

      バンスト外伝にありそう…
      楽しみに待ってます!

    • 11 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      第2話【天才のギタリスト】



      ―Pastel*Palettes 練習スタジオ―



      「日菜ちゃん、なんだか最近調子良さそうだね」

      「はい!いつもよりもバッチリ決まってます!」

      「えーそうかなー?」

      「えぇ、いつもより音が楽しそうだわ」

      「うーん、おねーちゃんとツーマンライブだって思うと嬉しいからね!」

      「まぁ日菜ちゃんならそうでしょうね」

      「でもこれは私たちにとっても大きなチャンスよ」

      「…といいますと?」

      「RoseliaはFWFに出場するほどの技術をもつバンドだわ」

      「私たちの周りにいるバンドの中では一番といってもいい」

      「そんなバンドと2マンライブが組めた」

      「これはRoseliaのファンにも私たちの技術やパフォーマンスを売り込む大きなチャンスよ」

      「確かにそうですね…これを機にアイドルバンドに興味がない人たちを引き込むこともできます」

      「音楽好きの人たちには所謂、技術至上主義、の人たちもいますから」

      「その通りよ麻弥ちゃん」

    • 12 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      「じゃあいつもよりも気合を入れなきゃね!」

      「えー、いつも通りでもいいじゃーん」

      「正直、心配してないのは麻弥ちゃんだけだわ」

      「どーして?」

      「麻弥ちゃんはスタジオミュージシャンとしての経歴もあるし実力もある」

      「だから心配していないわ」

      「私たち4人…特に私だね…」

      「申し訳ないけど、彩ちゃんが一番力の差が如実に出るかもしれないわね」

      「湊さんの圧倒的な声量と声の伸び…あれは簡単に真似できるものではありません」

      「それに紗夜さんのギターも素晴らしいです!あれはブシドーの心です!」

      「ブシドーかどうかはわからないけど…あのギターの正確さは努力の証だわ」

      「はい、あれも一朝一夕で手に入るものではありません」

      「日菜ちゃんのギターも凄いけど、紗夜ちゃんのギターも凄いからね…」

      「おねーちゃんは本当にずっと練習してるからね」

      「だからあの技術に真っ向勝負で挑むのか、あなたの良さを活かすのかは任せるわ」

      「うん!がんばるよー!」

      「私も燐子さんの表現力に負けないよう頑張ります!」

      「えぇ、私もリサちゃんには負けたくはないわ」

      「一緒にやるからには、全力で行きましょう!」

      「おー!」

    • 13 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      事務所スタッフ「あ、よかった皆さんまだいたんですね!」

      「えぇ…どうしました?」

      事務所スタッフ「実はですね…」



      事務所スタッフ「…ということなんです」

      「はぁ…それはまた急な話ですね…」

      「わかりました、Roseliaの方々には私たちからお話しましょう」

      事務所スタッフ「あぁ!それは助かります!」

      「千聖ちゃん…大丈夫?」

      「えぇ、受け入れてくれるかはわからないけど、ね」

      「麻弥ちゃん、日菜ちゃん、明日、カフェに呼んでお話しましょう」

      「わかりました!」

      「わかったよー!」



      (おねーちゃんと…一緒にバンド…!)

      (おねーちゃん一緒に弾けるなんてすっごくうれしい…!)

      (だけどなんだろう…この気持ち…)

      (嬉しいはずなのに…怖い…?ううん違う…寂しい…?)

    • 14 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      第3話【交錯する姉妹】



      ―花咲川女子学園 放課後―



      「紗夜ちゃん、燐子ちゃん、ちょっといいかしら」

      「白鷺さん、なんでしょう?」

      「ええ、実は今度のライブのことなんだけどね」

      「はい…?」

      「実は…急な話で申し訳ないんだけど…今から時間はあるかしら?」

      「えぇ、今日は今井さんがバイトの日なので練習は休みですが…」

      「よかった…実は2人にお話があるの」

      「私と…氷川さんに…ですか?」

      「ちょっと込み入った話になりそうだから…カフェにでも行きましょう?」

      「ええ…それは構いませんが…」

      「ライブのことなら…丸山さんも交えたほうが…いいのでは…?」

      「いえ、それは大丈夫」

      「そうですか…?」

      「ええ、詳しい話は着いてから話すわ」

    • 15 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      ―羽沢珈琲店―



      「あー!おねーちゃん!やっときたー!」

      「日菜…!それに大和さんに…湊さん…?」

      「突然呼び出してしまってすみません…」

      「あなた達も呼ばれたのね」

      「湊さんこそ…その様子ではまだお話はまだのようですね」

      「ええ、そろそろ話してもらえるかしら?」

      「そうね、今日呼んだのはね…」

    • 16 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      「アンコールでお互いやった後、ダブルアンコールをこの6人で一曲…」

      「しかも私たちや、パスパレの曲ではなくカバー曲…」

      「それは…どうしてでしょう…?」

      「疑問に思うのも無理はないわ」

      「えぇ、正直ジブン達も困惑しています…」

      「まぁあたしはおねーちゃんと一緒に弾けるからるんっ♪てするけどねー」

      「そういう問題じゃないでしょう…」

      「まぁ事務所の意向なのだけどね…」

      「はい、ツーマンライブもいいけど、最後に共演することで」

      「双方のファンを喜ぶのではないか、とのことでした」

      「確かにそれはいいアイディアね」

      「はい…私たちにとっても…いい刺激になると…思います」

      「お二人がそういうのであれば…」

      「では、練習日を決めていきましょう」

      「えぇ、時間もそんなには残されてないわ」

      「……」

    • 17 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      ―翌日 練習スタジオ―



      「とりあえず、今回はギターが2人いるから…」

      「えぇリードギターとサイドギターを決めなければいけませんね!」

      「日菜ちゃん、紗夜ちゃん、どっちがいいとかあるかしら?」

      「はーい!おねーちゃんがリードギターで良いと思うー!」

      「いえ、日菜がリードね」

      「えぇー?なんでー?」

      「適材適所よ、リードはメロディ、サイドはバッキングが担当」

      「あなたの性格でバッキングをやらせるとリズムが崩れる恐れがあるわ」

      「だから日菜がリードを弾くべきだと思うわ」

      「えー!でもおねーちゃんがリードギターのほうがるんっ♪てくるけどなー?」

      「そういう問題では…」

    • 18 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      「日菜ちゃん、これは紗夜ちゃんのほうが正しいと思うわ」

      「えぇ、サイドはどちらかというとリズム隊のほうが近いですし」

      「燐子はどうかしら?」

      「えぇ…私も氷川さんの意見に賛成…です」

      「決まりね、日菜はリード、私はサイドで行きましょう」

      「でもソロはおねーちゃんが弾くよね?」

      「いいえ、音源を聴く限り、ギターソロのあとユニゾンがあるみたいね」

      「私はそこから入ることにするわ」

      「そっかー…まぁおねーちゃんがそういうなら仕方ないかー」

      「決まりね」

      「そうね、じゃあ練習していきましょう?」

    • 19 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      今日の更新はここまでです。
      明日残りの4話、5話、エンディングを更新させていただきます。

    • 20 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      第4話【2つの才は1つの屋根の下で】



      ――ライブ前日 スタジオ――



      「ふぅ…今日はここまでね」

      「はい!お疲れ様です!」

      「さすがはRoseliaといったところね…」

      「はい、湊さんも白金さんもとてもハイレベルです!」

      「いえ、あなた達の安定感も大したものよ」

      「はい…さすがだと思います…」

      「問題は…あの2人ね」

      「……」

      「紗夜、日菜、一体どうしたのかしら」

      「あなたたちのレベルならこの曲は難しいことはないはず」

      「日菜、特にギターソロの時どこか上の空で気持ちが入っていないわ」

      「紗夜はギターユニゾンの時、日菜を意識しすぎるあまり、ズレが生まれてる」

      「あなたたちの実力はこんなものじゃないはずよ?」

      「なにか言いたいことはあるかしら?」

    • 21 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      「ま、まぁまぁ湊さ…」

      「しっ麻弥ちゃん、ここは友希那ちゃんに任せましょう?」

      「いえ、湊さんのおっしゃる通りです」

      「明日のライブまでには確実に仕上げます」

      「そう…ならいいけど、日菜は?」

      「うん…明日はしっかりやる…」

      「……」

      「明日のライブで完璧に仕上げてくれるのなら問題ないわ」

      「では解散ね」

    • 22 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      「紗夜」

      「湊さん…なんでしょう」

      「あなたのことはわかってるつもり、きっと修正できると信じているわ」

      「……」

      「…日菜のこと、なんでしょう?」

      「!?」

      「何も言わなくていいわ…日菜のこと、あなたに任せて大丈夫かしら?」

      「日菜の調子が本番でもあのままだったら、あなたも調子を崩すかもしれない」

      「…日菜をどうにかできるのは、あなただけだと肝に銘じなさい」

      「わかり…ました…」

      「よろしく頼んだわよ」

      「はい…」



      「湊さん…ありがとうございます…」

    • 23 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      ――ライブ前日 氷川家――



      「日菜、ちょっといいかしら?」

      「どうしたの?おねーちゃん」

      「いえ、明日はいよいよライブねと思って」

      「…うん、そーだね…」

      「思えば、あなたと同じステージで、同じ曲をやるのは初めてね」

      「うん…」

      「どうしたの?どこか体調でも…」

      「違うの!」

      「…!」

      「違うの…明日が来るの、凄く楽しみなんだけど…」

      「同じくらい、明日が来るのが嫌なの…」

      「それは…どうしてかしら…?」

      「あたしは、短い時間だったけど、おねーちゃんと一緒にバンドがやれてすっごく楽しかった」

      「おねーちゃんと一緒に、ギターが弾けてすっごく楽しかった…!」

      「でも…明日が来ちゃったら…ライブが終わっちゃったら…」

      「もう、おねーちゃんと一緒に、バンドができなくなっちゃうんじゃないかって」

      「もしかしたら、一緒にギターを弾く日が来ないんじゃないかって…」

      「それが…凄く嫌なの…」

    • 24 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      「日菜…」

      (日菜はいつも、自分のことよりも、私のことを想ってくれて…)

      (そして孤独を抱え込んで…いえ抱え込ませてしまっていたのね…)

      「あ…ごめんなさい…困らせたい訳じゃ…」

      「日菜、いいのよ…」

      「おねーちゃん…」

      (おねーちゃんにこうして抱きしめられるの、いつぶりだろ…)

      (とても温かくて、優しい…)

      「おねーちゃ…グスッ…おねーちゃん…!」

      「日菜、よくききなさい」

      「たとえ明日が終わっても、また次の日はやってくるわ」

      「いつかまた、あなたとバンドを組めるのかもしれない」

      「先のことはわからないけど、私はその日が来るのを楽しみにしているわ」

      「なにも…明日で終わりじゃないのよ…?」

      「うん…うん…ありがとう、おねーちゃん…」

      「少しだけ、風に当たりましょうか」

    • 25 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      「涼しい…」

      「えぇ、気持ち良いわね」

      「今日は星がよく見えるね…」

      「そうね、とても綺麗だわ」

      「……」

      「……」

      「そろそろ落ち着いたかしら?」

      「うん」

      「今日の練習で詰め切れなかったところ、もう一度合わせてみましょう?」

      「うん…!わかった…!」

      (良かった…少しは元気が出たみたいね…)

      (日菜はいつもまっすぐな気持ちを私にぶつけてくれた…)

      (私もそれに答えないと、ね…)

    • 26 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      第5話【蒼碧のツインギター】



      ――ライブ当日 ライブ会場 楽屋――

      ――ライブ終盤――



      「そろそろ時間ね」

      「うん、みんな頑張ってね!」

      「えぇ、このメンバーでステージに立てること、本当に楽しみにしてました!」

      「りんりーん!いつも通りにね!」

      「ありがとう…あこちゃん…」

      「千聖さんも、ブシドー精神です!」

      「えぇ、頑張るわ」

      「紗夜も日菜も、頑張ってね!」

      「えぇ、ありがとうございます、今井さん」

      「リサちー、ありがとねー!」

      「……」

      「湊さん、少しだけ時間をいただいてもよろしいですか?」

      「…えぇわかったわ、長くなりすぎないようにね」

      「ありがとうございます」

      「私たちは先に行ってるわね」

      「はい」

    • 27 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      「…日菜、ちょっといいかしら」

      「なーに?おねーちゃん」

      「……」

      「?」

      「日菜、ここまで、私のことを待っててくれて本当にありがとう」

      「おねーちゃん…」

      「私は日菜の姉であること、この奇跡を誇りに思うわ」

      「あなたが困ったとき、私は隣にいて支えてあげる」

      「…これからも…一緒にギターを弾きましょう?」

      「おねーちゃん…!ありがとう…」

      「ふふっ泣くのはライブが終わった後にしなさい」

      「うん…そうだね…」

      「ようやく、日菜とまっすぐ話せるようになった気がするわね…」

      「なにか言った?おねーちゃん」

      「なんでもないわ」

      「…日菜、ギターだけはあなたには負けないから」

      「…!」

      「うん!…あたしも、絶対に負けないからね!」

      「さぁ行きましょう、湊さんたちが待ってるわ」

      「うん!」

    • 28 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      「お待たせしました」

      「…どうやら吹っ切れたようね、二人ともいい顔をしているわ」

      「そ、そうでしょうか…」

      「それじゃ、いこ!早く一緒に演奏しよ!」

      「あ、日菜!待ちなさい!」



      「ふふ…さぁ私たちも行くわよ!」

      「はい!」

    • 29 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      ―ステージ―

      「ダブルアンコールどうもありがとう」

      「これが最後の曲、ある曲をこのメンバーでカバーするわ」

      「行くわよ…《ツナガルオモイ》!」

      「ワン!ツー!ワンツー!」

      『ツナガルオモイ 映し出した新しい世界』



      ―1番終了―



      (紗夜も日菜も、明らかに昨日とは違う…みんな、それを感じ取ってるわね…)

      (紗夜さんのギター…正確無比とはこのことですね…ミスピッキングが一切無い…)

      (このピッキングができるからこそ、どんなフレーズでも弾きこなせるんですね…)

      (それだけじゃない…日菜ちゃんが入れるアドリブが、まるで来るのがわかっているかの様ね…)

      (それに、微妙なニュアンスを使い分けて、日菜ちゃんがブレる前に修正している…)

      (日菜さんのギター…まるで自由に飛ぶ鳥のよう…考えつかないようなフレーズを簡単に入れてくる…)

      (カバー曲なのに…今、自分自身で曲を作りながら演奏してるかのよう…)

      (私の歌いやすいフレーズを知ってるかのようなアレンジの仕方ね…)

      (確かなギターの腕を持ちつつ、紗夜のサポートを完全に信頼しているからこそできる技…)

      (今この瞬間だけは…世界最高のツインギターといってもいい…!)

    • 30 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      『誰が この涙を拭って』



      (おねーちゃんがあたしをみて笑ってる…!)

      (小さい頃から、ずっとあたしのそばにいてくれた…)

      (あたしのせいで、おねーちゃんをイライラさせちゃったこともあるけど…)

      (今、目の前であたしのギターの音を受け止めて、返してくれる!)

      (たった1つのオモイが、おねーちゃんの音から伝わってくる、楽しいって――)



      『誰が この背中をずっと支えてた?』



      (背中合わせでも伝わってくる、あなたの熱い感情…)

      (私のせいで、日菜には辛い思いをさせてしまった…)

      (それでもあなたは、ずっとめげることなく私に対して接してくれた…)

      (そして今はこうして、日菜とおなじステージで、おなじ曲を演奏している!)

      (たった1つのオモイが、日菜の音から伝わってくる、楽しいって――)

    • 31 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      『ツナガルオモイ 僕らの合い言葉』

      『不器用にでもずっと そばにいたいんだよ』

      『ツナガルオモイ 未来を紡いで』

      『まだ見ぬ夢を 眩しい程に 照らして』



      (さぁ…あと少しで日菜のギターソロから、私たちのユニゾンね…ん?)

      (……☆)

      (ウインク…はぁ…まったくあの子ったら、本当に無茶なことを考えるわね…)

      (いいわ今日だけは乗ってあげましょう、きっと日菜はあそこで私に合図をくれるはず…!)

      (おねーちゃん、口元が笑ってる…ちゃんと伝わったみたい)

      (あとは、あたしがおねーちゃんを信用して弾くだけ…!)

      (合図に、ピッキングハーモニクスをほんの少しだけ、いつもより大きく…!)

      (いくよ!おねーちゃん!)

    • 32 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      『~~~♪~~~♪~~~♪』

      (いまだよ!)

      (ここね!)

      『~~~♪~~~♪~~~♪』

      (!!!!)

      (次はいよいよユニゾンね・・・)

      (ようやくおねーちゃんと同じところを弾ける!)

      (日菜のように自由に!)

      (おねーちゃんのように正確に!)

      (一緒に、1つの音を奏でるだけ――)

    • 33 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      ―ライブ後―



      「みんなお疲れー!最高のライブだったよー!

      「うん!特にギターソロのユニゾン!ほんとかっこよかったー!」

      「あれすごかったよねー!」

      「はい!音色は違うのに、あとは1つしか聴こえませんでした!」

      「えぇ、練習の時でもあそこまでピッタリではありませんでした」

      「正直…圧倒されたわ…」

      「はい…とても感動…しました…」

      「そのことで一つ言いたいことがあるわ」

      「…なんでしょう…」

      「ユニゾン前のギターソロ、本来は日菜”だけ”が弾くはずだったはずよ」

      「どうして途中から紗夜に変わったのかしら?」

      「そ、それはね、あたしが…」

      「そうしたほうが良いと思ったので、私が決めました」

      「確実にできる自信もありましたので」

      「そう…それならいいわ…」

    • 34 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      「最高のギターだったわ、2人とも」

      「!」

      「だって!おねーちゃん!」

      「えぇ…」

      「日菜…」

      「おねーちゃん…」

      「ありがとう」

    • 35 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      残りのエンディングは今日の夜にでも更新させていただきます。

    • 36 名前:匿名スタッフさん ID:5ZmFlYjE

      素晴らしい
      なぜ本編じゃ無いのかと思うくらいに

    • 37 名前:匿名スタッフさん ID:zOTBmZDU

      このSS作者さんはガルパのイベストを書いてるシナリオレーターの方ですか?って思うぐらいいい作品だわ。

    • 38 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      エンディング【双子星は輝き寄り添う】



      ―ライブ後 氷川家―



      「こんこん!おねーちゃん?」

      「全く…ノックの意味がないじゃない」

      「えへへ…」

      「あ、あのね、おねーちゃん…」

      「はぁ…ライブが終わったばっかりでしょ?」

      「…いいわよ、ギター、持ってらっしゃい」

      「!」

      「うん!すぐ持ってくる!」

      「仕方ない子ね…ふふ」

      「持ってきたよーおねーちゃん!」

      「じゃあ何か一緒に弾きましょうか」

      「あたし、星降る夜に、がいいなー」

      「東京スカパラダイスオーケストラかしら?」

      「うん!そうだよ!」

      「えぇ、いいわよ」

      「じゃあ…まずは私がバッキングを…」

      「ううん、おねーちゃんがメロディ弾いて?」

      「どうして?」

      「おねーちゃんの音、聴きたいなって」

      「…わかったわ」

      「やたー!」

      「じゃあやりましょう」

    • 39 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      『~~~♪』

      『星降るこの夜空の下で じっと目を見つめて』

      『光見えた瞳の中 神様に聞いた』

      『さよならとか要らないから いつまでもそばに』

      『歌う時は いつまででも 思うことは ひとつだけさ』



      「いい曲ね」

      「うん…」

      「どうしたの?」

      「いつも、そばにいてね、おねーちゃん」

      「ええ、もちろんよ、日菜」

      「あなたこそ、いなくなっては駄目よ日菜」

      「わかったよ、おねーちゃん!」

      「さて、喉乾いたでしょう?なにか飲み物でも持ってくるわね」

      「あ、あたしも行くよ?」

      「居ていいわよ、今日のライブで疲れてるでしょう?」

      「それはおねーちゃんだって」

      「あなたみたいに動いたりしてないから大丈夫よ」

      「じゃあ行ってくるわね」

      「はーい」

    • 40 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      「日菜、戻ったわよ」

      「…日菜?」

      「すー…すー…」

      「全く…この子は仕方ないわね…」

      「どうしようかしら…部屋まで連れて行ったら起きてしまうわね…」

      「私のベッドで寝かせるしかないわね」

      「まずギターを置いて…ベッドまで抱えて…っと」

      「これでいいわ…私はどこで寝ようかしら…」

      「…おねー…ちゃん…」

      「日菜?…寝言かしら…」

      「あ、髪が口に…」

      「う…ん…」

      「あっ…手を…」

      (手を握られてしまった…これじゃ動けないわね…)

      「一緒に寝るしか…ないわね」

      「おやすみ…日菜」

    • 41 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      ―朝 羽丘女子学園 校門前―



      「昨日のライブ、楽しかったねー友希那?」

      「楽しかったかどうかはわからないけど、満足のいくライブだったわ」

      「そうだねー☆」

      「あ!リサちー、友希那ちゃんおはよー!」

      「おはよう」

      「おはよ~日菜、今日はなんだか機嫌良さそうだね~」

      「えへへ~わかる?」

      「何か、良いことでもあったの?」

      「えっとねー、昨日家でおねーちゃんとギター、弾いたんだ!」

      「えぇ~、ライブ終わった後でしょ?元気だねー」

      「それでね、そのあと…」

      「日菜」

      「あれ?紗夜、どうしたの?」

      「今井さん、湊さん、おはようございます」

      「実は、日菜の弁当を届けに…」

      「あー忘れてたー!おねーちゃんありがとー!」

      「仕方ない子ね…ほらネクタイも曲がってるわよ、じっとしてなさい」

      「えへへ」

      「それで、ギター弾いた後、どうしたの?」

    • 42 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      「……まさか!日菜!」

      「おねーちゃんと一緒に寝たんだー!」

      「うそ~!?」

      「日菜!」

      「ギター弾いてるうちにね、あたしはいつの間にか寝てたんだけど」

      「朝起きたら、隣でおねーちゃんが手を握ってくれて、一緒に寝てたんだ~」

      「そっか~それはよかったね~日菜」

      「うん!もう朝からるんっ♪てきちゃった!」

      「日菜…怒るわよ?」

      「ごめんなさ~い」

      「紗夜、おねーちゃんの顔になってるわよ」

      「…湊さんも、怒りますよ?」

      「今日も帰ったら一緒にギター弾こうね、おねーちゃん!」

      「…今日は途中で寝ても起こすわよ?」

      「うん!わかったー!」

      「日菜」

      「おねーちゃん」

      「いってらっしゃい」

    • 43 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      以上です。
      藍井エイルの『ツナガルオモイ』を聴いてて思いついたストーリーでした。
      紗夜日菜のわだかまりがなくなるとしたらこんな感じかな~と思い書かせていただきました。
      ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。

    • 44 名前:匿名スタッフさん ID:kY2Q4MTE

      おねーちゃんと寝た(事案)

    • 45 名前:匿名スタッフさん ID:0MzkzYjE

      スカパラとかヘイスミとかスカバンドもガルパに追加して欲しいな

    • 46 名前:匿名スタッフさん ID:zZDcxYzh

      >>10 >>36 >>37
      自分にとって最高の誉め言葉です、本当にありがとうございます!
      気に入っていただけたのであれば幸いです!

      >>44
      確かによくよく考えると、姉妹じゃなかったら事案になりそうですね…w

      >>45
      スカバンドいいですよねー!
      自分も追加してほしいと思ってます!

    • 47 名前:匿名スタッフさん ID:hNTllMGI

      本当にイベントストーリーを見てる感じで、作者さんすごいなと思いました。
      あと、SS内で演奏してた星降る夜にも聴きました。いい曲でよかったです。

    • 48 名前:匿名スタッフさん ID:kYzdjYzU

      なんか純粋に感動した